

本日もたくさんの古書、古本を買取させていただき誠にありがとうございます。
古本出張買取屋スタッフの後藤です。
いつまで暑さが続くんだろう、なんて思っていたのに、
ここ数日で急に寒さが増して、季節はすっかり秋ですね。
秋といえば、「読書の秋」・「食欲の秋」・「運動(スポーツ)の秋」ですが、
私はこの秋どれも全力でエンジョイしています。
美味しい秋の味覚(主にスイーツ)を求めて東奔西走、合間に読書。
なんて素敵な季節、秋万歳!!
そんな訳で今回は、「読書」と「運動」をキーワードに、この本をご紹介します。
『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』
Amazonの「美容・ダイエットノンフィクション」の売れ筋ランキングで
ベストセラー1位のこの本。
お客様の買取でも目にする機会はあるのですが、
Amazonを見ていると、ベストセラーでおすすめだからなのか
全然関係ない本を探している時でも出てくるので、
見たくもないのに毎日のように目にする訳です。
先日何十回目かのAmazonでのご対面に「もう何なんだよ!!」となって、
とうとう購入してしまいました。(笑)
『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』
というタイトルを見ただけでおわかりかと思いますが、
この本は、Twitterフォロワー数91万人、筋トレを愛するマッチョ社長Testosteroneさんが、
「ひたすら筋トレを大絶賛する本」です。
科学的なデータも織り交ぜつつ、筋トレが何故素晴らしいかを熱く語っているのですが、
Testosteroneさんのキャラクターのおかげでとても読みやすく、
筋トレについての本なのに自己啓発本としての側面もあり、
時に噴き出しながら楽しく読めます。
私的に『筋トレはこの世の問題の99%を解決できると思ってる』は名言だと思いました。
Testosteroneさんいわく筋トレは、
・ストレス解消に良い
・健康になれる
・生活習慣や食生活が改善される
・アンチエイジングになる
・脳の働きを活性化する
・ポジティブになれる
・自信がつく
など、その他にもいい事ずくめ。そこまでならわかるのですが、
筋トレは、医療費問題や介護問題、少子化まで解決できるし、
経済活性化まで可能なんだそう。
これ、笑ってしまいたいところですが、それぞれの理由を読んでみると
無理とは言えない気がしてくるから不思議です。
筋トレで本当にそんないい事ばっかり起こるの?
とちょっと疑ってしまう方もいるかと思いますが、
私はTestosteroneさんの意見に全面的に賛成です。
なぜなら、超インドアで生まれて数十年「運動なんて大嫌いでありえない」なこの私も、
半年間筋トレを続けている今、上に挙げたことが全て当てはまっているからです。(笑)
年齢による急激な体重の増加に危機感を覚えて始めたのがきっかけでしたが、
家で出来るのでお金は掛からないし、
休みの前日でも早く寝て長時間睡眠を心掛けるなど生活習慣が改善され、
毎日3度の食事がより楽しみになった上に、
食べた分筋トレや有酸素運動をすればいいと思えば、
美味しい物(主にスイーツ)も遠慮なく食べられる!
はじめは嫌々やっていた筋トレですが、習慣化された今ではやらない日の方が
落ち着かないくらいで・・・人って変わるものですね。
この本にも書いてあるように、科学的にも筋トレの有用性は証明されています。
極論、「筋トレをすることで健康になり、長生きできて、
脳の働きも活性化されれば、その分たくさんの本が読める」という
本好きにとってとても幸せな未来が待っている気がするんですけれども、
皆さんはどう思われますか?
Testosteroneさんは他にも色々な(筋トレの)本を出しているので、
気になった方は、今回ご紹介した本と一緒にぜひそちらもチェックしてみてください。
本日もたくさんの古書、古本を買取させていただき誠にありがとうございます。
古本出張買取屋スタッフの後藤です。
皆さんは、藤田ミラノという人を知っていますか?
昭和30年代-40年代にかけて、雑誌『女学生の友』や『ジュニア文芸』の表紙や挿絵、
ジュニア小説『コバルト・ブックス』の作品の表紙などを多数手掛けた、
非常に人気の高い画家です。
昭和30年代、少女向けの月刊誌『女学生の友』は、
競合誌との差別化を図ろうと、別冊付録として小説をつけましたが、
藤田ミラノは藤井千秋・丸山ひでゆきらとともに、その表紙を数多く担当していました。
“日本の正統派美少女”のイメージの蕗谷虹児・高畠華宵、
モダンレトロなファッションと女性の美しさが目を引く中原淳一、
現代風かつ個性的な魅力で人気の松本かづち・内藤ルネ、
上に挙げた藤井千秋・丸山ひでゆき他、
抒情画家としてカテゴライズされる素晴らしい画家の中で、
私が1番好きなのが、藤田ミラノです。
その特徴は、少女や女性の美しさにあります。
細面に少し広めの額、大きな瞳。
ただ造作の整った顔というだけでなく、そこに聡明さ・凛とした女性の強さや気品が感じられます。
藤田ミラノの絵が当時多くの人に受け入れられたのは、美しさももちろんですが、
絵から感じられるそういった部分が、
戦後、女性が「男性の後ろで大人しくしていなければならない」存在ではなくなり、
「自己を主張していこう」という時代に変わってきたところにマッチしたというのもあると思います。
藤田ミラノの絵で好きなものは、挙げれば切りがありませんが、
女学生の友別冊付録、佐伯千秋『ふたつの愛』の表紙、
コバルト・ブックスの諸星澄子『めぐりあう星』の表紙、
コバルト・ブックスの中村八朗『高原の誓い』の表紙などは、
本当に素敵です。
中村八朗の『若草の愛をきみに』の表紙が、オードリー・ヘップバーンを彷彿とさせるといえば、
その美しさが伝わるでしょうか。
藤田ミラノの絵の中で最も好きなものは、私が一目見て心を奪われた、
コバルト・ブックスの川上宗薫『夏の日のかなしみ』の表紙。
作家としての川上宗薫も、作品の内容も好きなんですが、
この表紙が本当に美しいのです。
こちらを見つめる女性の、内面まで見通してしまうような視線の強さ。
顔に添えられた華奢な指、背景を飾る花の黄色の鮮やかさ。
何度見てもうっとりしてしまいます。
この表紙に関しては、ネットで調べてすぐにわかるようなものではないので、
気になる方には、藤田ミラノの経歴を追いつつその絵の美しさを堪能できる
『藤田ミラノ ヨーロッパに花開いた日本の抒情』という本をオススメします。
1ページ丸ごと使って『夏の日のかなしみ』の表紙(しかもカラー!)を載せているので
その素晴らしさがより伝わるかと思います。
ちなみにこの本は、巻末に藤田ミラノが絵を描いた雑誌や単行本のリストを
一覧にしてくれているので、ファンとしては本当にありがたいです。
藤田ミラノは様々な画風を持つ人で、
後年パリに渡ってからは、日本の時と同様の画風でパリの少女雑誌で活躍したり、
「恋するピエロ」や「花乙女」などのシリーズ物や神秘的な絵で、
ヨーロッパでも人気の画家となりました。
絵本では、また違ったかわいらしいタッチの子供や動物の絵で心を和ませてくれます。
2011年には、紹介した本のタイトルと同名の展覧会が東京で開催されましたが、
そろそろ次をやってくれてもいいのに・・・と思っているのは私だけではないはず!
(できれば巡回で、もちろん名古屋を入れて!)
全作品なんて贅沢は言いませんが、『女学生の友』や『ジュニア文芸』、
コバルト・ブックスのシリーズあたりでポストカードセットを発売してほしいです。
私は1万円出してでも買いたい!
そのポストカードをフォトスタンドに入れて部屋に飾るのが私の夢です。
本日もたくさんの古書、古本を買取させていただき誠にありがとうございます。
古本出張買取屋スタッフの後藤です。
古本出張買取屋では、様々なジャンルの本を買取させていただいていますが、
その中で仕事としての知識とは別に、
私個人としてどうしても「興味・関心を持てないジャンル」が存在します。
ただ不思議なことに、この仕事をしていると、
興味がなかったジャンルに触れていく中で
いつのまにか興味が湧いている、という現象が起こります。
自分には一生縁がないだろうと思っていたジャンルも、
そんな風にちょっとしたきっかけで興味が持てるようになるものです。
最近手にした、米窪明美著 『天皇陛下の私生活 1945年の昭和天皇』。
皇室にさほど興味がなかった私がこれを読むきっかけになったのが、
ネットで見た『昭和天皇はお一人でお風呂に入られていた』という一文でした。
「何を当たり前のことを・・・」と思いその記事を読んでみると、
『天皇陛下の私生活 1945年の昭和天皇』という本の紹介であることがわかりました。
『昭和天皇はお一人で入られていたが、
明治天皇がお風呂に入られる時は3人の女官がお供をしていた。』とあり、
上半身は清浄、下半身は不浄のものとされていたことから、
上半身を穢さないよう、上半身と下半身は分けて洗われていたこと、
下半身の湯が上半身に達しないよう、湯船に浸かる際は常に半身浴だったこと、など
興味深い話が続きます。ただ、今回はこの話はこの辺で。
とにかく私が衝撃を受けたのは、「天皇にも日常生活がある」ということ。
天皇だって人なのだからそれはそうだ、とも思いましたが、
天皇の公務以外の生活なんて想像したこともありません。
一体どんなものだろう?
一人の人としての昭和天皇とは?というところから、その私生活に興味が湧きました。
この本のポイントは、昭和天皇の私生活についてももちろんですが、
1945年の1年間に焦点を当てたものであるということ。
1945年といえば、終戦の年。
この1年についての皇室の様子を知ることには大きな意味があります。
興味がなかったジャンルなので、読むのが苦痛になるだろうと考えていましたが、
今まで知ることがなかった昭和天皇の人柄や、宮廷内の様子が新鮮で
むさぼるように読んだうえ、
玉音放送についての話の部分では、当時の天皇自身やまわりの人達の思いを読みながら、
実際に玉音放送を聞いたりもしました。
そして、天皇の私生活への興味から始まったはずが、
読んでいくうちに、本の中に描かれている戦争の悲惨さの方に意識が集中していきました。
学校で日本の歴史の一部として、戦争については学びますが、
乱暴な言い方をしてしまえば、今の若い世代にとってそれは教科書の中の出来事であって、
世界規模かどうかという部分を無視すれば、
「応仁の乱」や「関ヶ原の戦い」などと同じ、「昔起こった戦争」という
ひとつの括りにされかねません。
実際に起ったことだというのは理解していても、経験していないので実感はない。
8月15日が何の日か聞かれて、答えられない若者も増えてきているといいます。
私も戦争を描いたドラマや映画を見る機会はあります。
でも、それは「知っている役者」が「演技」をしているんだという気持ちが
頭の片隅にある状態で見ています。
それを見ることで色々な感情は湧いてくるものの、
日々の生活で、その時に感じた思いは薄れていってしまいます。
それなのになぜでしょうか、
一人の経験としてのノンフィクションを読む時、あるいは親しい人から話を聞く時、
それはグッと近いものになり、「自分に関係ないこと」ではなくなります。
実際に戦争を経験した世代がいなくなってしまっても、経験した人達の本や映像は残る。
それを読んだり見たりすることで、後の世代にも伝わるものがある。
そう感じました。
この本を読んだのは奇しくも終戦記念日の直前で、
去年までとは違った思いで、ニュースの特集や戦争についての特番を見ました。
そういった歴史を直視することは、経験していない私達ですら苦しく、
できれば無関係でいたい、知らずにいたい。
でも一方で、こうした歴史に目を向けることで、
絶対に繰り返してはいけない、という思いを強くすることが出来るとも思うのです。
本日もたくさんの古書、古本を買取させていただき誠にありがとうございます。
古本出張買取屋スタッフの後藤です。
先日、NHKスペシャル取材班『老後破産 長寿という悪夢』を読んで、
その内容に衝撃を受けました。
「悠々自適な生活」、それがかつて多くの人が持っていた「老後」のイメージでした。
今、「老後」と聞いて、みなさんが思い描くイメージはどんなものでしょうか。
現在日本で、一人暮らしをしている高齢者がおよそ600万人。
そのうち年収が生活保護水準を下回る人は半数の300万人。
その中で生活保護を受けているのが70万人。
200万人程の高齢者は年金だけで生活をしているものの、
大きな病気になったり介護が必要になると、途端に生活は破綻してしまいます。
この状態を『老後破産』と名付け、その実態を追ったノンフィクションがこの本。
実際に『老後破産』に陥ってしまった人や、
ギリギリの生活を送る『老後破産予備軍』の人にインタビューを行い、
私達が想像もしていなかった「老後」の実態を明らかにしています。
この超高齢化社会において、長い老後には何が起きるかわかりません。
そんな中で余裕を持った生活が出来る人は限られてきます。
高齢になれば、若い頃よりも大きな病気に掛かる可能性が高まり、
医療費や介護費用の負担の問題が出てきます。
貯蓄はどんどん減っていき、金銭的負担によって病院からも足が遠のく。
結果病気が重症化して介護が必要になり、
さらに負担が増えるという負のスパイラルに陥ってしまう。
本には、食事は1日1回予算100円で生活をしている人、
家賃を払って残った1万円で毎月やりくりをしている人なども紹介されていて、
その切り詰めた生活ぶりに驚きました。
彼らは老後を迎えるまで遊んで暮らしていた訳ではありません。
一生懸命働いて、老後に備えてきたつもりだった。
それでも今、その日その日を乗り切るのがやっと、という現実に
「何のために生きているのかわからない」と語る人もいました。
生活保護を受ければ、医療費や介護費用は無償となるので、
生活はそれまでより楽になります。
それなら生活保護を受ければいいのでは?と思うところですが、
問題はそう簡単ではありません。
財産がなくなれば生活保護を受けられますが、
本当に財産がゼロになっても、生活保護を受けて暮らしていけるのかという不安から、
残り少なくなった貯蓄を崩せないまま、ギリギリの生活が続く悪循環に陥る人も多いのです。
自分が高齢になった時、まわりに支えてくれる人がいる状況だとは限りません。
しかし、家族がいれば大丈夫なのかと言うと、一概にそうとは言えません。
家族に迷惑を掛けたくないからと、生活が苦しいのを隠して一人でやっている人もいます。
中高年の子供が失業し、再就職できないまま親の貯蓄や年金を当てにして、
親が老後破産に陥ってしまうというのも珍しくないそうです。
また、親の介護のために仕事をやめて同居した子供が、親が亡くなったあと、
再就職できず老後破産予備軍になってしまうケースもあります。
亡くなった家族の年金を不正受給していたというニュースも時々耳にしますが、
こういった問題は今後さらに深刻になっていくのではないでしょうか。
今、老後の2000万円問題が話題になっています。
「保険料を払わせておいて、詐欺だ」という意見もたくさん出た一方で、
「そんな事を今更騒ぎ立てるのもどうなのか」という意見も。
将来年金だけで満足のいく生活が出来ないであろうことは、今の日本の状態を考えても容易に想像がつきます。
この問題が取り上げられたことで、自らの老後について関心がなかった人も、
真剣に考えるきっかけになったのではないかとも思います。
今回紹介した『老後破産 長寿という悪夢』。
私の予想を遥かに超えた辛い現実があることを知り、
将来に対する不安を通り越して恐怖すら覚えましたが、今読んでおいてよかったと心から思います。
老後の問題がリアルに感じられるようになってきた世代の方はもちろんですが、
家族や自分の老後について考える上で、若い世代にも読んでおいてほしい本です。